欧州連合知的財産庁(EUIPO)は、スローガンを商標として法的に保護するかどうかを評価するための新たな枠組みを導入しました。2025 年 11 月 8 日に発効する「スローガンの識別力に関する共通実践(CP17)」は、EU 全域の商標庁がスローガンの適格性を評価する方法を標準化することを目的としています。この改訂は、プロモーションメッセージと商標法の機能的要件とのバランスを取ることへの関心が高まっていることを反映しています。
広告で頻繁に使用されるスローガンは、商標としての地位を獲得する際に特有の課題に直面します。他の商標と同様の法的保護を受けられる可能性はあるものの、マーケティングツールとしての主要な役割ゆえに、識別力の立証がより複雑になります。CP17 はこの点に対処し、プロモーションコンテンツと、出所を示す能力を持つ商標とを区別するための基準を定めています。同文書は、スローガンが単なる広告としての役割を超え、出所表示標識として機能しなければならないことを強調しています。
CP17 の主要な要素には、スローガンの識別力を高める要因が含まれています。例えば、化粧品向けの「We make up your mind(あなたの心を決めます/化粧を施します)」のように複数の意味を持つスローガンは、曖昧さを活用して消費者の関心を引きます。「Where dresses come true(ドレスが叶う場所)」のように「where dreams come true(夢が叶う場所)」をもじった言葉遊びも、スローガンをそのプロモーション機能を超えて昇華させることができます。同様に、「Software with a byte(一バイト分のソフトウェア/ちょっとした工夫のあるソフトウェア)」における文字通りの解釈と比喩的な解釈の対比など、概念的な興味深さは、創造性がどのように商標基準を満たし得るかを示しています。
しかしながら、CP17 は純粋にプロモーション目的のスローガンの限界も浮き彫りにしています。「Dream it, Do it!(夢見ろ、実行しろ!)」や「Don't risk your home safety(家の安全を危険にさらすな)」といった例は、商標として機能するために必要な認知的努力や解釈の深みを欠いているとして拒絶されます。これらのスローガンは率直な広告と受け取られ、商品またはサービスの出所を区別する役割を果たせないと判断されます。一般裁判所はこの姿勢を裏付けており、スローガンは価値観に基づくものや情報提供的なものとして即座に理解されることを避ける必要があると強調しています。
企業にとって、CP17 は明確さをもたらす一方で、スローガンの創造性に対するハードルを引き上げてもいます。企業は今や、概念的な緊張感、言語的な新規性、あるいは予期せぬ関連性を導入するスローガンを優先しなければなりません。「What do clouds smell like?(雲は何の匂いがする?)」をクラウドコンピューティングサービスに用いるように、単純なフレーズであっても、熟考や再解釈を促すものであれば資格を得ることができます。この変化は、従来のマーケティング言語に依存するのではなく、スローガンデザインを商標の機能性と整合させることの重要性を強調しています。
2026 年初頭における CP17 の施行に伴い、商標庁はスローガンを評価する際により厳格なアプローチを採用することが求められます。法律実務家およびブランド所有者の双方は、プロモーションメッセージが出所を識別する明確な能力を実証しなければならない状況に対応していく必要があります。EU 市場の競争が激化するにつれ、広告と商標との区別は、スローガン自体の独創性と独自性にますます依存することになるでしょう。